♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,2次不等式(文字係数)のバックアップファイルです. ♫♣ 元の教材が機器や通信トラブルで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません. 〇文字係数の2次不等式を解くときは,できるだけ「因数分解」を試みて,文字の値の大小によって場合分けして答えます.
【例1】
2次不等式を解いてください.
左辺を因数分解すると
右上に続く↑
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(解答) ア) a<2のとき 2次関数y=(x−2)(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は a<x<2 イ) a=2のとき 2次関数y=(x−2)2のグラフは右図のようになるから 2次不等式は「解なし」 ウ) 2<aのとき 2次関数y=(x−2)(x−a)のグラフは右図のようになるから 2次不等式の解は 2<x<a |
【問題1】
(1)
解答を見る2次不等式x2−ax≧0を解いてください. |
(2)
解答を見る2次不等式x2−(a+3)x+(a+2)≦0を解いてください. |
【例2】
2次不等式を解いてください.
左辺を因数分解すると
さらにa<a+1がいえるので |
(解答) (x−a)(x−a−1)>0と書ける. 2次方程式 (x−a)(x−a−1)=0 の解は x=a, a+1 (a<a+1) だから 2次不等式の解は x<a, a+1<x…(答) |
【問題2】
(1)
解答を見る2次不等式x2−3ax+2a2<0を解いてください. |
(2)
解答を見る2次不等式x2+(2a−1)x+a(a−1)>0を解いてください.
(解答)
(x+a)(x+a−1)>0と変形できる 2次方程式 (x+a)(x+a−1)=0 の解は x=−a, −a+1 (−a<−a+1) だから 2次不等式の解は x<−a, −a+1<x…(答) |
【例3】
(解答)2次不等式を解いてください. (x−2a)(x−a−1)<0と書ける. 2次方程式 (x−2a)(x−a−1)=0 の解は x=2a, a+1
ここで
ア)a<1のとき,2a<a+1だからア)2a<a+1 ←→ a<1 イ)2a=a+1 ←→ a=1 ウ)2a>a+1 ←→ a>1 2a<x<a+1 イ)a=1のとき,2a=a+1だから 解なし ウ)a>1のとき,a+1<2aだから a+1<x<2a |
【問題3】
(1)
解答を見る2次不等式x2+x−a(a+1)<0を解いてください. |
(2)
解答を見る不等式ax2−(a2+1)x+a<0を解いてください. |
(3)
解答を見る不等式(a−1)x2+(3−a)x−2<0を解いてください. |
【例4】
(考え方)2次不等式の解がすべての実数となるように,定数aの値の範囲を定めてください. 2次関数x2−(a+1)x+(7−a)のグラフが,右図のように (1) 下に凸のグラフでなければならない → x2の係数が正(1)だからこれは成り立っている.
※なぜ「下に凸」でなければならないか?
(2) x軸と共有点をもたないこともし,上に凸だったら,次のグラフのように両サイドで必ず負となってしまいつねに正になることはできないから,下に凸のグラフでなければならない → 判別式D<0で調べるのが早いが,判別式はまだ習っていないという場合は,放物線の頂点のy座標が正であると言っても同じ.
※よくある話:y座標が「つねに正」となる条件は「判別式D>0」ではないのか?という間違いが多い
判別式Dの符号はx軸との共有点の「個数」に対応しているのに対して,ここで調べているのは頂点のy座標. 実は, という平方完成の変形から言えば,頂点のy座標は すなわち だから,グラフが下に凸(a>0)のとき,頂点のy座標が正になるという条件は になります. 右上に続く↑
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(解答)
2次関数の頂点を求める計算で行くと
2次方程式(かなり長い計算の結果) となって,頂点のy座標が正になるという条件は すなわち a2+6a−27<0 となりますが,かなり冗長な答案になります. x2−(a+1)x+(7−a)=0 の判別式の符号が負になればよい. D=(a+1)2−4(7−a) =a2+2a+1−28+4a =a2+6a−27 =(a+9)(a−3)<0 より −9<a<3…(答) 【問題4】
(1)
解答を見る2次不等式x2−kx+k(k−1)≧0がすべての実数xについて成り立つように定数kの値の範囲を定めてください. |
(2)
解答を見る不等式ax2−2(a+1)x+(a+3)>0がすべての実数xについて成り立つように定数aの値の範囲を定めてください.
(注) a=0のときは,xの2次不等式にならず判別式も定義されませんが,その場合だけ1次不等式として処理します.そのために問題文を「2次不等式・・・」とせず,「不等式・・・」としてあります.
(解答)ア) a≠0のとき
(1) a>0
(2)よりa2+2a+1−a2−3a<0
−a+1<0(2) D'=(a+1)2−a(a+3)<0 a>1 (1)(2)を満たすのはa>1 イ) a=0のとき 元の不等式は,次の1次不等式になる −2x+3>0 この形の不等式は十分大きなxの値(例えばx=2)に対して成り立たないから,すべての実数xについて成り立つようにはできない. ア)イ)よりa>1…(答) |
(3)
解答を見る不等式(k−1)x2−kx+2k≧0がすべての実数xについて成り立つように定数kの値の範囲を定めてください. |
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